バットマンという作品がある。
1939年に誕生したバットマンはもはや世界的に有名なヒーローであり今もなお愛され続けている。
日本ではティム・バートン版バットマンから始まりクリストファー・ノーランのダークナイト3部作で一気に火がついたように見えた。
私も話題につられダークナイト3部作をTVの再放送で見ていたがその時はまだ今のような熱狂的なファンではなかった。むしろ「確かにバットマンはカッコいいがこの作品は一体何が言いたいんだ?話がよくわからない…」という”置いてけぼりにされた”という印象を受けた。
しかしあるキッカケからバットマンにハマるようになり今では人生に迷ったときに生き方のお手本にするバイブル的な存在にまでなるようになった。
この記事は私がバットマンファンになってからおよそ5年間で培われたバットマンに対する考え方と、バットマンをよく知らない人のためになるべくわかりやすく解説していきたいと思う。
大好きなバットマンの記事なのだから、あまり文体を考えず楽な感じで書いていくのでその点だけご了承いただきたい。
尊敬するバットフリークの皆様へ
バットマンが小指で倒してしまうようなゴッサムシティのチンピラよろしく、私などバットフリークとしてはまだまだひよっこであり、このような大仰な記事を書くことは知識豊富なバットフリークの皆様に対して恐縮の至りではありますが、どうかアルフレッドのような温かい目で見守っていただきたいと思います。
バットマンとブルースウェイン
バットマンゲーム:アーカムオリジンから引用
バットマンの正体は大富豪のブルースウェインである。バットマンが活躍するゴッサムシティいちの大富豪でありあらゆる財界に顔が聞く。
なぜそんなブルースウェインがバットマンに変身しなければならないのだろうか?
幼い頃両親が殺され、犯罪者を憎むようになる
ブルースウェインがバットマンになったきっかけは、幼き頃目の前で両親が射殺されたことである。
ブルースは両親を殺した犯罪者を、人々を不幸にする犯罪者の全てが許せない。
しかし、犯罪者達を殺してしまえば彼らと同じになってしまう。ならば二度と愚かな行為に走らないよう奴らには恐怖を与えてやるのが一番ではないか?と考えたブルースは闇夜に潜みすばやく羽ばたくコウモリこそが恐怖の象徴だと考え自らをコウモリの衣装でまとうようになった。
これがバットマンの誕生である。
バットマンゲーム:アーカムオリジンから引用
ブルースウェインは裏の顔
バットマンの正体がブルースウェインと知られるわけにはいかない。正体が知られた瞬間ブルースの関係者が犯罪者の標的となってしまう。
その為、ブルースはあまり深く人と関わろうとしない。交流も必要最低限だし好意を寄せる女性に対してもドライな対応をする。そのような立ち振る舞いからお金持ちのプレイボーイと揶揄されることもあるがブルースにとってはそれで良いのだ。バットマンとのギャップが大きければ大きいほどブルースがバットマンだと疑うものは少ないだろう。
バットマンの設定
バットマンの設定は細かく大雑把…と表現するのが適切だろうか。ポリシーさえ守っていればストーリーやキャラのフォルム・詳細設定が違ってもOKなのだ。
バットマンにエンディングは無い
「アニメサザエさん」のように1話完結型のストーリーをご想像いただければ分かりやすいだろう。「長いこと戦い続けていたが最後の敵を倒してハッピーエンド!!」というストーリーは無い。(ナイトフォール作戦など、区切りのつくストーリーなどは存在している。)
TVアニメシリーズのバットマンにおいても、ヴィラン(敵)を倒して「ゴッサムシティの平和は守られたのだ」的な感じで終わるし、映画でも「バットマンの戦いは続く」みたいな感じで終わる。
作中で宿敵ジョーカーが「バットマンが存在する限り俺たち犯罪者も存在し続ける。バットマンの本質は俺たち(犯罪者)側だ」とバットマンを解くシーンがある。バットマンはこの理論に苦悩するわけだが皮肉にもジョーカーが言うようにバットマンが存在しヴィランを成敗する限りバットマンが終わることが無いのだ。
そしてこれはブルースウェインがハッピーエンドを迎えられない証明でもあり、両親を殺害された深い心の闇が簡単には拭えないというブルースの悲しい心情の手助けとなってしまっている。
しかし視聴者である我々からすれば、ブルースの葛藤に立ち向かう姿に心打たれる。これはバットマンが長年愛される理由の一つとも言えるだろう。
いろいろなストーリーを作ってオッケー
キャラクター設定や大筋がそれていなければクリエイターや編集者の裁量に任せて様々なストーリーを作って良いとされている。これはバットマンに関わらずアメコミにみられる特徴だ。
例えばバットマンが乗るバットモービル(バットカーやバットビークルとも呼ぶ)の機能は作品によって異なる。ミサイルがついていたりバイクに変形したりと様々だ。
またバットマンと警察の協力体制においてもストーリーによってまちまちで、警察を信じず一切協力体制を敷かないストーリーもあれば、信頼が置ける1部の警察関係者と組んで事件を解決していくこともある。
バットマンゲーム:アーカムオリジンから引用
バットマンの理解者「ジェームス・ゴードン」バットマンと最初に出会う頃はバットマンを敵対視していたが、ゴードンの思う正義とバットマンが行動で示す正義が同じと実感しバットマンこそがゴッサムシティの救世主だと信じるようになる。なおバットシグナル(空にバットシンボルを掲げる装置)を開発したのは彼である。
コスチュームが異なったりする
バットマンを始めとするヒーローはディティールこそ違うものの大きくコスチュームが変わることはない。しかしヴィランにおいてはコスチュームが大幅に変わって登場するパターンもある。雰囲気は一緒であれまるで別人レベルに異なるヴィランもいる。わかりやすい例がハーレイクインだ。
ワーナー・ブラザーズ公式サイト から引用
ニンジャバットマン公式サイト から引用
上記3画像はすべて同じハーレイ・クイン。一番上の宮廷道化師の格好をしたハーレイ・クインがオリジナルのコスチュームだが映画スーサイド・スクワッドで登場したハーレイ・クインは今どきのイケてるギャル(?)な感じになった。
ニンジャバットマンでは日本のアニメのようなキャラデザインだがトレードマークのツートンカラー設定は忠実に守っている。(髪の毛の半分で色が違う)
このように、バットマンは時代を重ねバージョンアップしていく。新しいバットマンが作られるたびにファンは「バットスーツかっこいい!!」「今回のビークルはどんなんだ!?」とワクワクするのである。
敵の親玉…という概念がない。
先述した通り、バットマンには例えば戦隊物のように「ゴッサムシティを脅かす悪の組織がいて、その幹部たちがバットマンと戦っていく」という図式が無く、1人の犯罪者VSバットマンというストーリー展開がメインだ。
敵同士が同盟を組みバットマンを抹殺しようとする話もあるが基本的には「私こそがバットマンを出し抜ける」というスタンスで他の犯罪者を見下した態度を取ることが多い。(その特性にも濃い薄いがあるが)
ゴッサムシティーの警察は機能していない
犯罪を取り締まる警察は何をしているのだろう…かというと実のところ犯罪者とあまり差は無い。
犯罪者を見逃す代わりに賄賂をもらったり、ガサ入れ情報を渡したり、強盗の手引きをしたり…とやっていることは犯罪者より性質が悪い。
バットマンゲーム:アーカムオリジンから引用
警察の階級が高い彼も、犯罪者と結託して私服を肥やしていたが調子に乗りすぎていたため犯罪者に目を潰された。
そんな警察の惨状を見てブルースは警察には任せておけない、そして一切の協力もしないと心に決めるのだ。
先述のとおり、ストーリーによって一切警察と手を組まない話もあれば一部の警察関係者(ジム・ゴードン)と組む場合もありストーリー背景によって警察との協力設定が変わる。
例えばティム・バートン版バットマンでは「一切警察と手を組まない」→「ジム・ゴードンを信頼するようになる」という設定に対し、TVゲーム「バットマンアーカムナイト」では警察全体と手を組んで犯罪者逮捕の為に情報や戦力を共有している。
ブルースを、バットマンを支えるアルフレッドという存在
ブルース家の執事でもあり、両親無きブルースの父親代わりでもあり、困ったときに助言をくれる友人でもあるアルフレッドはバットマンに欠かせないキャラクターだ。
バットマンの技術的サポートを行ったり、肉体的、精神的にトラブルに陥るバットマンを回復させたりする彼の存在はゴッサムシティを平和にする影の功労者と言っても過言はないだろう。
いつも執事の服装を守っているのでどのシリーズでも同じような雰囲気を醸し出すアルフレッドは、バットマンの中で唯一キャラクターがはっきりしている人物とも言えるだろう。
バットマンの基本的知識のまとめ
今回はバットマンの基本をなるべくわかりやすく書いたつもりだ。バットマンはまだまだ細かい設定やバックボーンがあるため1つの記事では書ききれない。また仮に細かくバックボーンを書いたとしてもファンでない人が見ればクエスチョンマークが量産されることは間違いないだろう。
本記事の目的はあくまでもバットマンというキャラクターの魅力を知ってもらうための基礎知識をなるべくわかりやすく教えることにあり、コアな知識をひらけかすものではない。
とは言え今回の1記事のみでバットマンの魅力が伝えきれるとも思っておらず、今回の記事はバットマンの難しい部分に出くわしても迷わないような基礎知識を書いたつもりだ。
次回は「これがバットマンをわかりにくくしている原因」を中心に書いていきたいと思う。
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