急性膵炎は命に関わる病気です。110番で緊急搬送された私は痛みに耐えられず苦しんでいただけでしたが、付き添ってくれた母親は「最悪のケース(死)も覚悟しなければならない」と医師に伝えられたそうです。
緊急搬送する前日まで、普段どおりの生活をしていた為おかしいと感じなかったのです。急に訪れた命の危機に、私は恐怖を覚えました。それまで健康なんて「生きていれば健康だ」と無茶苦茶に考えていました。
今回は、急性膵炎になって大きく変わった健康についての考え方をご紹介致します。あなたの人生が病気に脅かされないよう参考になれば幸いです。
死は突然にやってくる

私達が当たり前だと思っている「生きる」という事は、簡単に覆されます。毎日事故や事件が起こっている事を考えるといつ自分に舞い降りてくるかわかりません。突発的に起きてしまえば対応すらできないのです。
しかし、病気に置いてはある程度の対策ができます。あなたが気をつければ病気による死を回避できるのです。
急性膵炎の死亡率を知っていますか?
急性膵炎の致死率は8.9%と高めです。
軽症は2~3週間で改善し、膵機能障害などの後遺症が残ることは少ないです。しかし、重症例の致命率は8 . 9 % で、最も重症な場合の致命率は5 9 . 3 % です。急性膵炎は良性の疾患でありながら亡くなってしまう危険が高い恐ろしい病気です。
以心会サイト 急性膵炎・慢性膵炎のページから引用
私達は不思議と、病気になってから病気の事を調べがちです。私も急性膵炎の致死率を病気になって知ってからゾッとしました。調べられる命があるだけ良かったと心から思いました。
そう、病気は病気になってからでは遅いのです。
再発の可能性を考える

急性膵炎の場合、一度壊れたすい臓は元に戻りません。再発しないよう食生活に気をつける必要があります。
また、急性膵炎から慢性膵炎に悪化するケースもあり、慢性膵炎になるとすい臓がんの可能性も高くなります。
このように、急性膵炎にかかると膵炎が”くせ”になるように再発の可能性がつきまといます。「治ったからまた普段どおりの生活に戻していいや」では危険です。
健康にならなきゃ…と思ったきっかけ
急性膵炎になって、健康について考える時間が増えました。今までの健康に対する自分の考えは愚かだった事、心配してくれる親や家族の事、このままではダメパパになるぞ…等。入院は自分を見つめ直すきっかけになりました。
残された家族はどう思う?
私が入院した時、ほとんど毎日お見舞いに来てくれた家族の優しさは心の支えとなりました。
娘が「パパ、お腹痛いんだって。早く治ってね。」「ばぁちゃんの家に行きたいんだけど、行ってきていい?」と心配してくれる言葉をかけてくれて、私は一体何をしているんだ…。と強く思いました。
もう私は一人じゃない。私が死んでしまうことで妻や子ども達、親はどれほど悲しむだろう…。入院してからこんな大切な事に気がつくなんて本当に愚かだと思いました。
健康なら何でもできる

約1ヶ月の入院で学んだ事は、「すべての行動は健康があってこそ行える」という事です。
入院中って、基本寝たきりでお見舞い以外会話も無く非常に退屈な日々を過ごすことになります。漫画やDVDなど暇つぶしのアイテムがあっても、あくまで日常の中で楽しめるものなので大して楽しくも面白くもありません。それよりも早く治したい気持ちが焦っているので、そんな気持ちで見る漫画やDVDは面白くないのです。
入院は治療に専念する為に行うものなので、本当に何もする事がありません。
入院で体を動かせないと、頭が働きません。頭を働かないと最後には心が動かなくなってしまいます。エネルギーにあふれている人でも、体を動かせないだけで気持ちが落ち込んでしまいます。
子ども達と遊ぶ事も、趣味も仕事も、すべて健康であれば何だってできます。
何もできないに加えて、急性膵炎では絶食絶飲が絶対です。2週間ほど水は飲めず、3週間ほど食事は取れません。入院中”生を感じられない”ほど心が疲れていました。もう二度とあのような思いはしたくありません。
不健康は心にも影響する
退院後の私と比べて実感したのですが、入院前の私は体調が悪くなるとイライラする事が多くありました。時には強い言葉で子ども達を怖がらせてしまい本当に最低なパパでした。
現在はおかげさまで自ら健康と言えるほどになったと思いますが、不思議とイライラする事が少なくなり大きな気持ちで家族と接する事ができています。
健康の為に始めたランニングやスポーツが適度にストレス発散になったり、健康になったことで今まで以上に趣味を楽しめるようになったりしたので、その効果がイライラを少なくしてくれました。
健康と不健康の間にいるあなたへ
あなたが現在、普段どおりの生活を送っているなら、一度健康について考えてみてください。
食生活はどうか、適度な運動はしているか、健康診断の結果はどうか…。どんな些細なことでもいいので、普段気にしない事を気にしてみてください。
健康診断は地獄への片道切符
もし、健康診断の結果に少しでも異常な数値があったら、病院へ相談や精密検査を行いに行きましょう。
「少し数値が正常値を超えているけど大丈夫…」の「大丈夫」って、誰の大丈夫ですか?根拠はありますか?あなたが医者なら大丈夫かもしれませんが、医者でない限り体や健康については素人と考えるべきです。

プロが診断した結果が”異常”と判断しているのですから、あなたの体に異変があることは間違いありません。
些細な兆候で大きな病気を防げるなら、1日や2日会社を休む事なんて大した事ではありません。
健康診断を行わないなんて、NG中のNG
自営業や勤めている会社によっては、健康診断を行わない方もいらっしゃると思いますが本気で危険です。健康診断さえ行っていれば大病を未然に防げたケースは多々あります。中には健康診断を行ったことでガンの早期発見につながったケースが身近にありました。
私は退院後、会社の健康診断とは別に急性膵炎の経過観察も含めて病院で検査してもらっています。1年に1回の事ですが、何事もない検査結果を見て心にゆとりをもって安心に暮らすことができます。仮に悪い結果が出たとしても、早めに対策できる事は大病を未然に防げるので検査を行う重要性は大いにあるでしょう。
何ができるか…を考える
あなたにとって、健康になる…とはどういう事でしょう。
体型や性別、思想が様々異なるように、健康という考え方も様々です。
まずは、あなたが考える健康について、小さいことから始めていきましょう。
- いつもの食事を1分間だけ伸ばしてみる(満腹感を増やす)
- エレベーターの目的地を1階低くして階段を使う
- 寝る時間を15分早めてみる
- 嫌な気持ちを忘れる
- 楽しい映画を見る
こんな些細な事でも、健康に良かったりストレスを感じなかったりするものです。

健康に支配される事はないよ!
健康のばかり気にして他の事が手に付かない…なんて事はありません。先程申した通り、健康になることでもっと趣味を楽しむことができるし、健康目的で始めたランニングや自転車がそのまま趣味になるというケースもあります。
健康はあくまで、日々を楽しむための基本であって目的(ゴール)ではありません。健康の事を考えすぎると今度はストレスになってしまい本末転倒です。
あなたの人生がもっと素晴らしいものになりますよう、健康について考えてみてはいかがでしょうか?
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