iZotope社の製品を使えばMIX師の知識がなくても簡単にMIXができちゃいます!この期待値MAXの激アツ最短MIX方法は次の2点だけ
・自分の好みの音量を設定して
・iZotope 「Ozone」 「Nectar」 「Neutron」のボタンを押すだけ
本記事では15分でMIXを行える方法と考え方、そしてこれを使用したサンプルをお聞きいただいて歌い手でも最短でまっすぐに一直線でMIXができる方法を紹介します。
iZotope製品を用いてMIXを行う方法
iZotope製品を使ったMIX方法を動画で確認
この記事を書く為に10名の歌い手さんにご協力を頂きまして動画実況を行いました。こちらの動画(特に前半の最初の部分)で手順を解説しておりますのでご参考下さい。
手順1:自分好みの音量を設定する
歌ってみたにとって自分の声が埋もれてしまうのはNGですよね。まずいちばん先に全体の仕上がりボリュームバランスを決めておくのが大切です。そして自分なりの基準を見つける事も大切です。
基準というのは様々あります。
・自分が気に入っている歌い手さんのボリュームと聴き比べて調整する
・いつも聞いている一定の音量ボリュームで聴き比べる
・DAW付属の数値やメーターを用いて数値的・視覚的に判断する
これらの基準には専門的な知識なども含まれることもありますが、まずは無視しましょう。復唱しますが「自分なりの基準を見つける」クセをつけるのが上達のはじめの一歩です。
さて、ボリューム調整もシンプルに行います。今回は波形を基準にボリューム調整する方法を紹介しましょう。

上部がカラオケ(inst)、下部が歌データ(main)です。この状態でまずボリューム調整を行います。波形を見ると歌データの方が小さそうなので

これぐらいまで調整します。

ボリュームを大きくして波形を増減させるには、波形を選択して上記赤丸で囲ってある部分の数値を変更します。
ポイントとしては、どちらか一方のボリュームのみを調整することです。両方を上げ下げしてしまうと何がなにやらわからなくなるので調整するのは1箇所にしぼりましょう。
手順1続き:トータルのボリュームを調整する
カラオケと歌のボリュームバランスが自分好みになったら次はトータルのボリューム調整を行います。完成品のボリュームの大体を決めておくということです。
こちらも同様に基準を設けてそこと比べていく(または基準に合わせていく)のが大切です。

動画でも説明していますが私の場合Cubaseのメーターを利用しています。色の境目にある線が10~15の間に来るように調整しています。これもメーターの仕様を調べていくと「この10とか15とかってどういう意味か?」「なぜ10~15の数値にしているのか」と分かってきますがまずは無視して自分の基準を設けるための手段として理解しましょう。私は10~15の間に設定していますが、好みによって数値も変わってくると思います。
一番良いのは、好きな歌い手やアーティストの音楽を調査して設定値を参考にするのが良いと思います。
手順2:Nectar Neutron Ozoneをつかう
こちらは動画を確認しながら調整するのが良いかと思います。(11:11~ 再生開始されます)
各種ソフトをざっくりと説明すると…
Nectarはボーカルに対して調整するプラグイン
Neutronはインストに対して調整するプラグイン
Ozoneはトータルに対して調整するプラグイン
です。それぞれボタンを押すだけで自動でいい感じに調整してくれます。MIX師の作業があっという間に終わってしまいます。自動でいい感じに調整した後も自分で調整する事が可能ですので慣れてきたら+αで調整してみるのもアリです。
この作業が慣れてくるとMIX開始からわずか15分で完成できます。驚きの速さです。
最短15分MIXの完成具合は?
こちらが完成したMIXです。(上記2手順(ボリューム調整とiZotopeのみ)
HIBANA
Boi
366日
ズルい幻
恋愛裁判
枯れ葉のクレッシェンド
今日も何も成し遂げなかった
Calc
愛情欠乏
今好きになる
ぱぱしゅみの感想
以外にも完成度高いなという印象です。声の小さい部分が埋もれているのでそこはポイントでボリューム調整が必要になってくるかと思います。
ピッチやタイミング調整を行っていないのでミスっている部分が目立つ歌い手さんもいますが、そこは歌い手さんの歌唱力アップが見込める場所とも言えるので歌い手さんには頑張って頂きたいところです。
つまり、歌う時の音量に気をつける事(声がしっかりと出ているか)とピッチやタイミング・表現の部分にある程度のクオリティーがあれば、今回紹介した最短15分のMIXでも十分に聞けるレベルになるということです。
簡易的でも自分でMIXする事で自分の良い部分や弱点が見えてくることがあります。
Elementsでも十分!定期的なセールを狙って最安でMIXを行おう
上記にアップした音源は全てElements製品(グレードとしては一番下)で行っています。iZotope社は定期的にセールを行うのでチェックしておくと良いでしょう。
歌い手様の感想
今回のMIXについて各歌い手様より感想を頂きましたので記載します。
【今回のiZotopeMIXは自分でも簡単にできそうでしたか?】
・出来なくはないが、ピッチ補正やタイミング調整が出来てないと綺麗な出来上がりにならなそうだなと思いました。
・何度かこなせばできそう。
・ピッチ補正さえ出来れば!Twitterなどワンコーラスにアップしたりするにはめっちゃ良いと思いました!
・MIXは自分でもできそうだなと思いました!グレードが上の(StandardやAdvance)をもってるのでそっちの解説も是非見てみたいです!
・MIXに関しては難しいイメージがありましたが、今回の実況を拝見して可能性を感じました!頑張ります
・MIX師に頼まずとも、このままで納得出来る完成度でした。AIMIXのやり方(プラグインの使い方)を覚えれば、自分でも出来るかもしれないと思いました。
・あれこれ考える必要がなさそう、かつ、かなり手軽にMIXできると感じた。
・操作としてはかなり簡単でわかりやすいので、自分含めこれからmixを始める方でも簡単にmixできそうだと思いました
【出来具合はいかがでしょうか?】
・悪くは無いけどMIX師さんに頼んだほうが満足の出来具合になると感じました。
・エディットでかなり変わる事と、やはり要所のエフェクト等はmix師にしか出来ない部分はありそう。ただし、凝った処理をしない曲等では十分通用しそうな印象でした。個人的にはmix師に頼んだ方が良い作品になるとは思います。クオリティやエディット効果はもちろん、思わぬアレンジ等が返ってくるとき、とても感動する時があるのも理由の一つです。
・YouTubeにアップするフルはMIX師さんに依頼するのが良いのではないかなと思ってます!
・タイミングやピッチなど問題なく歌えていればAIで十分だな〜と言う気もしています!ただエフェクトとかをかけたい曲などもあるので一概には言えませんが…
・全て聞かせて頂きました!これがAIが!?とびっくりしました!ただ、添付されてたメモにも書かれていたように、いつもぱぱしゅみさんにミックスしてもらう時よりも、部分部分のボリュームの差に違和感を感じました!歌い手側の少しの努力も大事だなと、凄く分かりました!そこをコンプリートしてしまえば、かなり良い出来になるのではないのかなと思います!
・やはり廉価版だと制約を感じる(個人的にはもっと抜けがいい音が好き)また、元々の音がいい事が大前提なので、魔法のような、というのは少し違く感じた。
・クオリティの面ではmix師には及ばないものの、音作りの基礎的な部分を学べたり、自分の歌い方などを見つめ直す良いきっかけになると感じました
・「どこまでオケに馴染めるか、一つの音楽として成立した音源になるか」というのがMIXにおける重要なことだと思っております。細かな音程・リズムのずれの調整であったり、オケにあったボイスエフェクトであったり。そこを求めるならMIX師に依頼する方が良いのかな?と思います。
総評
iZotope社製品を利用したMIXはある程度の完成度はあったものの、歌い手だけでは手の届かない技術(細かいボリューム調整や基本的なEQやコンプ処理、Fxなど)においては補完できないという結果になったかと思います。
自分で歌って自分でMIXすることが一番満足の行く作品になると思っていましたが、冒頭にも書いた通り歌唱力を上げる事と技術力を上げる事を両立しなければならないので中々難しいかと思いました。しかし歌唱力(ピッチとタイミング、表現や声の出し方)があればiZotope社製品でのMIXが活きてくるので、歌い手さんはたくさん歌うことがトータル的な作品力アップにつながると思います。つべこべかんがえず、サクッとMIXを完成させて次々に歌いまくる!みたいな感じ
最近はYoutubeにおいてもショート動画が散見されるのである程度の完成度でOKであればワンコーラス用で利用するのはありかと思いました。
自分でMIXすることで、弱点や気付きが得られるので歌い手の皆様には一度自分でMIXをして欲しいと思いました。
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