私の夢はプリキュアの歌を耳コピして地域のお祭りなどの演奏で子どもたちに楽しんでもらうこと!!
そしてその夢を叶える為の記念すべき第一弾を飾るのは「フレッシュプリキュア」のOPテーマ「Let’s!フレッシュプリキュア!」です。
耳コピを通じて見えてくる様々な風景をまとめていきます。
Contents
【楽曲紹介】
制作者
曲名 | Let’s!フレッシュプリキュア! |
作詞 | 六ツ見純代 |
作曲 | 高取ヒデアキ |
編曲 | 亀山耕一郎 |
歌唱 | 茂家瑞希 |
耳コピで使用した機材等
DAW | Cubase Pro9 |
使用音源 | |
ドラム系 | BFD3.0 |
Bass | Trilian |
Guitar | Orange Tree Funk Guitarist(カッティング) |
Brass | Kontakt5 Session Horns Pro |
Strings | Kontakt5 Session Strings Pro |
その他 | Kontakt5 Massive Omnisphere2 |
DAWのCubaseはCubaseSX2.0の頃から使用しているので結構経験値は高めです。他のDAWには移行できないほど慣れ親しんだソフトですね。
今回の楽曲はバンド系の楽曲だったので実音系が充実なソフトを多く使いました。
ドラムは生なら右に出るものはなし…と(私に)言わしめたBFD3.0。耳コピに置いてスネアのピッチとか重要なので手軽に変えられるBFD3.0はおあつらえ向きでしたね。
Bassにしては音程がよく動く楽曲でアーティキュレーション(細かな演奏テク)を多用するのでそのへんが簡単に打ち込めるTrilianを使用しています。バンド系のBassを打ち込むならTrilianは重宝します。
Guitarは満足に引けないのでソフトシンセの力を借りました。今回はOrangeTreeというソフトシンセを使用しました。結構リアルなギター音が出ますがやはり本物には勝てません…。しかもギターだけに関しては耳コピが甘いです…。ギターのカッティングやコードの抑え方までは分からないため再現度はやや低いものとなっています。
BrassやStringsは音の厚み、広がりを演出するために会えて違うソフトを使って同じ音を奏でています。気分でちょっと変えたりしていますが、ほんの気持ち程度厚みが出れば良いなという感じです。実はこのようなチリツモなテクが作品のクオリティーを上げる秘訣だったりします。(TwitterLiveでMIX実況やったりすることもあるので、その時は参考ください。ご要望あればやります。)
耳コピしてわかったこと
もともと耳コピする前から「男ヒーローっぽい楽曲だなぁ」と思っていたのですがそれもそのはずでして、戦隊シリーズを多く手がける高取ヒデアキ氏と亀山耕一郎氏が作曲・編曲を行っているからです。
「女の子だって暴れたい」というプリキュアのコンセプトから戦うカッコいい女の子を特にイメージした楽曲になっているのではないでしょうか。
そして耳コピをするうちに使用する楽器やアレンジから「これはもはや男の子が歌っても成立する楽曲だ」と確信を得たのです。
イケイケ感のある楽曲構成はまさに男らしさそのもの
イントロから始まるスネアドラムからティンパニーロールへとつながる様は、まるで戦隊シリーズを彷彿とさせるきっかけとなっており、「男の子向けの楽曲かな?」と錯覚させるパワーがあります。(上記Youtube 0:03あたり)
その後サビからスタートしますが歌の合間に入るトランペットがさらなる高揚感を高めます。サビが終わると再びトランペットのフレーズで興奮を継続させAメロへ繋がります。(0:18あたり)
AメロからBメロにかけてはアニメ主題歌らしい落ち着いた雰囲気で進められます。AメロからBメロの展開もスムーズかつ情熱的な展開です。(0:45あたり)
Bメロが終わると再びサビが始まります。もちろんサビ前にはティンパニーロールで男らしく盛り上げます。頭サビと同じアレンジですがもともと頭サビの勢いが強いので改めて勢いを作る必要がありません。(1:00あたり)そしてその勢いのままエンディングへと向かいます。
使用している楽器とアレンジ構成など
男らしさを支えるリズム隊
まずドラムは基本的な8ビートでどっしりとリズムを固めます。ハイハットでリズムの鋭さを表現しているのでうるさくならず安心したビートを生み出しています。
ドラムとは打って代わりベースラインは「動きまくり」ます。しかし決してコード感を損なうわけなく男の躍動感を感じさせます。
ギターに関してもなかなか男らしい奏法です。サビのコード感をしっかり支えるバッキングギター、AメロではBbMaj7→FMaj7という洒落たコードをクリーンギターで表現したかと思うと16分のワウカッティングに切り替え勢いを切らさないようにしています。
戦いを鼓舞するトランペットとティンパニー
まずトランペットに注目します。基本的にはスタッカートとフォールダウン(後ろの音を下げる技法)を使う事で男らしいスパッとしたアレンジになっています。
こういう派手でわかりやすい楽器はつい多様したくなるのですが、「ここぞ」というところで使用することでアクセントにつながるので良いアレンジだと感じました。とても勉強になりました。
サビ前に入るティンパニーロールは猛りそのもので「これからサビが始まる…!!」という高揚感を演出しています。
分厚いコーラスと伸びやかなストリングスが重厚感を出す
耳コピではうまく表現しきれない部分でしたがオリジナルの方ではコーラスを何重も重ねて重厚感を出しています。特にど頭の「フレッシュプリキュア」の部分ではアニメタイトルということもあり、とても重厚に作られています。
ベース・ギターとどうしても低音域が集中してしまうのでバランスを取るため、ストリングス(バイオリン群)で高音部分を埋めるアレンジになっています。サビで演奏される伸びやかなトーンは楽曲を明るい感じにさせます。
躍動感あるコード進行
サビのコード進行を取り上げます。(少し専門的な内容を含みます)
開始早々A→C#augと転調することで躍動感を演出します。その後F#mとKeyに戻ったと思ったらすぐにEm7→A7とDKeyに転調…と思いきやCKeyに転調した…と思いきやG7に…
と目まぐるしい転調を繰り返すことで楽曲のスピード感や躍動感を演出しているのです。これは後述する歌手の歌いづらさに影響している部分でもあります。
歌手の茂家瑞希さんの歌唱について
Let’s!フレッシュプリキュア!の楽曲を取り扱う以上、歌唱されている茂家瑞希について語りたいことがあります。
表現を恐れずに言わせていただくと、CDに録音されているオリジナルバージョンを歌う茂家瑞季さんの音程は甘い部分が多く見られます。しかしこれは決して彼女の歌唱力の問題だけでは無く、本楽曲が持つ性質や環境によるものだと推測しました。
歌唱当初の年齢はなんと高校一年生(15-16歳!?)
元々俳優として様々な活躍をしていた中、子供番組のコーラスを担当していた経歴を経てフレッシュプリキュアのOPテーマの歌手として抜擢されました。
コーラス時代にスタジオ経験はあったとは思いますがソロでの経験はおそらくこのOPテーマが初めてでしょう。私がスタジオでディレクションを取ったのが22歳ぐらいの頃で演者でも無いのにしどろもどろしていた体験を考えると、15-16歳でしかも国民的なアニメになっていたであろう「プリキュア」のOPテーマを歌うというのは、中々緊張したのではないかと予想されます。
キーの高さがあっていなかった可能性がある
茂家瑞希さんの歌は元気があり決して声が出ていないわけではありません。ハイトーン(特にサビ)の部分で自分の音程を超えていたのではないかと推測されます。
本来自分の声の高さに合わせたキーの確認は入念に行うのですが大役を担って(おそらく)緊張されていた茂家さんは雰囲気にのまれてしまったのではないかと予想します。
転調が多くあるので音程が取りづらい
先程にも書きましたがサビ部分での転調が多く歌いづらい箇所もあったのでは無いかと予想します。最初のA→C#augは転調もしているしaugの音程を取らなければならないので初っ端からきちんと当てていかないとあとに繋がりにくくなってしまう部分です。
元気な雰囲気を現場がOKにした
当初でも音程を修正する技術はありました。(後期OPのhybrid verでは音程を修正していた)
なのになぜ音程が揺れたままCDをリリースしたかと言えば、おそらく茂家さんの元気な歌声が現場をOKにさせたからでは無いでしょうか?
作曲した高取ヒデアキ氏は戦隊シリーズで熱い歌声を披露しています(有名な戦隊シリーズで言えば「ハリケンジャー」のOPを歌唱されています)まだ15-16歳の若い歌手が一生懸命元気に歌っている姿にどこか感動したのではでしょうか?
実際私も最初聞いた時は「よくこの音程でリリースできたな…どこかお偉いさんの娘とかか?」と思ったのですが、茂家瑞希さんの経歴を見て「ああ、これはとても緊張しただろうしその中でよくこれだけ元気に歌えたな」と思ったものです。
15-16歳といえば丁度プリキュアと同じような年齢感です。(小学生高学年~高校生がプリキュアになる)未来を夢見る女の子らしい元気な歌声は、経験豊かな20-30代のベテランには出せないと判断した結果、元気な歌声のままでリリースしたのではないかと推測します。
私がフレッシュプリキュアを大好きな理由
数あるプリキュアシリーズの中でフレッシュプリキュアが好きな理由としては、実はこの「Let’s!フレッシュプリキュア!」があったからです。
主人公桃園ラブの男勝りな性格と楽曲の男らしい感じが妙にマッチしていますし、先程記載した茂家瑞希さんの元気いっぱいな歌声、そしてそのままCDをリリースする現場の彼女への思い。レコーディング現場に関しては勝手な想像ですが、なんとなくその想像通りではないか…?と感じられるような作品だと思っています。
茂家瑞希さんは令和元年現在でも歌手活動に精力的に取り組んでいます。いつかスケジュールのタイミングがあったら彼女のライブをみたいなと思います。
茂家瑞希さんのTwitterはこちら!
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