【世界初!!】「遼じい」が主人公のスタプリ同人小説・SS|Rast Shot

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ああ、ワシはこの世界が愛おしくてしょうがない。

最初にRestartした時は戦慄を覚えた。5回目あたりから自分の仕事に誇りを持つようになった。17回目になると「ああまたか…。面白くない世界だった」と自分に言い聞かせるようにした。

今ワシが住んでいる観星町の世界は27回目の世界。ここでは天文台の管理人を任されている。いくつもの星をRestartしたワシにとってなんと皮肉な職業だろうか。

幾度と繰り返される世界を体験すると、27回目の結末も容易に想像ができる。まず始まりは瞬間的に幾つもの星が生まれ生物が住み始める。そして文明が築かれるがしばらく経つと住人同士の争いによって文明や住人、そして最終的に星が滅ぼされる。最初は小さな星々が点々と滅ぶに留まるのだが、次第に滅ぶ星が多くなり星の数が少なくなっていく。

そして争いの末最後の星が滅びそうな時ワシはRestartを行い瞬間的に星が生成される前の状態に戻す。とこのような大筋だ。

15回目の時は3足歩行する住人が1足歩行する住人の足を切断し歩行困難にさせた事が始まりだった。22回目の時は空にあふれる水資源を地面に落とそうとした者同士の争いが原因だった。

面白かったのが25回目。タイムマシンを完成させた学者が過去に行き自分を殺害したことで世界の軸が狂い、未来と過去の同一人物で争いが行われた回だ。この時ワシはこっそりタイムマシンを持ち出し初めてRestartした1回目の世界に行こうと思ったが、それはどこにも見つからなかった。未来や過去には行けても世界をまたぐことは不可能だったのだ。

そして27回の現在も予定通り脅威が生まれ人々や星を滅ぼしていく存在がいた。彼らはノットレイダーと呼ばれていた。

27回目の世界は少しおかしかった。今まで対抗勢力はいたものの結局は滅ぼされる一方だったのだが今回はどうやら違うらしい。この世界にはプリキュアと呼ばれるノットレイダーに立ち向かう戦士がいたのだ。しかもまだ年端も行かぬ少女達だ。

自分でも驚いている…というのも、ワシは今までの世界で素質ある戦士にさりげなく助言を行ってきた。しかしどの戦士も助言から十数年経った後に覚醒する者たちばかりで、助言後数ヶ月程度で脅威に対抗できる戦士は今までいなかったからだ。

しかもプリキュアは他のプリキュアを呼び寄せる。ワシは星奈ひかるという少女にワシの持つノートを渡した。なんの変哲もないノートだが、イマジネーションの力を育む事でノットレイダーに対抗できる知恵を授けるようにパワーを込めておいた。しかしまさか戦士に成長するとは思ってもみなかった。

戦士たちは目まぐるしく成長をしていった。彼女たちはワシの助言から「サザンクロスショット」を習得しノットレイダー達を粉砕していった。

もしかして、27回目の世界は滅ばないかもしれない。そしてRestartを行わなくても済むかもしれない…。ワシはどこかで胸の高鳴りを感じていたのだ。

「遼じい!今まで隠していてゴメン!私達…プリキュアなの」

そうひかるが教えてくれたのは、ノットレイダーの総統ダークネストが地球に侵略した翌日のことだった。

「まさかひかる達が伝説の戦士プリキュアだったとは…長生きはするもんだねぇ」

ワシは精一杯の表情でひかる達を見渡した。彼女たちは素晴らしい顔をしている。

「星の輝きが鈍った状態ではひかる達のイマジネーションは輝かないかもしれないねぇ」

ワシは今できる最大限の助言を行った。ワシに授けられた力はノットレイダーのみを倒す事はできない。あくまでも星をRestartさせるだけの能力だ。ワシがRestartすればひかる達も消滅する。そして28回目の世界にプリキュア達が誕生する確証は無い。ワシの力で彼女たちの未来を潰すことはとてもできなかった。

そう考えるとワシはただただ無力だった。Restartといえば聞こえはいいかもしれない。しかしやっていることは星を侵略するノットレイダーと変わらなかった。

「ひかる達がいつでも帰って来られるように、ワシはいつでもまっておるよ」

ワシは今までで一番意味のない助言を行い彼女たちを見送ることしかできなかった。

「ダークネスト様のご加護があれば…お前たちなど取るに足らんわ」

「良い働きだ…ガルオウガよ…。器さえあればプリキュアなど赤子同然」

「な…なんて力なの…!!」

「全く歯が立たない…ルン」

やはりだった。ワシがどう期待しようが結末は一緒だったのだ。8回目の世界の時、あと少しで脅威を排除できそうなところまで行ったのを思い出した。しかし結果は変わらなかった。あの時から期待するのはやめようと心に誓ったのに、彼女たちの持つイマジネーションに魅力を感じてしまったのだ。

「よし、フワ頂くぞ」

「ひかる~、ララ~、えれな~、まどか~、ユニ!助けてフワ~」

「ゴメン…フワ…フワを…守れなかった…。」

ワシは…一体何をしているのだ…。彼女たちに期待だけして自分は何もせずにただ見ているだけなのか?26回も結末が一緒だから…今回も一緒だと…勝手に想像しているだけじゃないのか?

ドーン!!

「全部隊に告ぐ!!プリキュアを防衛しつつ侵略者を攻撃し撤退できるようにしろ!」

それは大砲の爆音に負けない勇ましい声だった。以前ワシの天文台に訪れた青年の声だった。

「我々の武力だけでは太刀打ちできないことは明らか…!ならせめてプリキュアの体制を立て直す為に…ぐあぁ!」

「愚かな…」

「やはり地球人は下等生物の集団よ」

青年が率いる部隊はダークネストが放つ光線をもろに食らってしまった。あの青年は気絶をしている。

「ノットレイダーよ、交渉に応じてくれまいか…!!」

またもや勇ましい声が空に響き渡った。

「我々星空連合は全面的にノットレイダーに下る事を誓う。だからこれ以上我々を侵略することはやめてくれないか?」

星空連合の長トッパー代表の声だった。星空界を統べる代表の言葉はノットレイダーの脅威を測る上で十分すぎた。

「ほう、星空連合がわがノットレイダーに下る…と。面白い。ではその証明としておうし座のプリンセスを人質に差し出してもらおうか」

「な…そうしてしまってはスターパレスの均衡が崩れ我々の世界が…ぐわぁぁ!!」

話を遮るようにダークネストから放たれた光線がトッパー代表の戦艦に直撃した。戦闘不能になったのは見れば明らかだった。

「ノットレイダーに支配される者はどのみち滅びゆく…。愚か者は早いところ滅せよ」

「かしこまりました。ダークネスト様…」

ダメだ…。やはりこの世界もダメだったか…。ワシはRestartの準備を決意した。

「遼ちゃん!無事だったか!?」

この世界で始めて友人となったひかるの祖父「春吉」がワシの元にやってきた。

「春ちゃんも無事だったかい」

ワシはとりとめの無い会話をした。もうこの世界は終わるのだ。これ以降の話は、正直意味が無い。

「春ちゃん…ひかるが…、ひかるはもう…」

「もう…ってなんだ?もうって何だよ春ちゃん!」

…?

「ひかるは…必死に戦ってるじゃないか!!あの姿を見て何も感じないのか遼ちゃんは!」

感じてるさ…無力を。

「何もできないわし達が諦めてどうするんだ!?できることをやらなくちゃダメだろう!」

何度でもやったさ…26回も。

「遼ちゃんに会ってひかるは変わったんだよ!遼じいのイマジネーションキラやば~っていつも言ってたんだ!!」

イマジネーション…?ワシが…?

ワシはいつだって必死にやったさ。戦士の為に助言もした。星が滅ばないように幾つも手段を考えた。でもいつでも上手く行かなかった。26回目だってギリギリまで全力でやった。でもダメなものはダメだった。

もういいじゃないか。適度に文明が栄えて争いが起きてRestartする…。世界はこのようにできているんだ。いい加減ワシを休ませてくれ…。

「遼じい…」

ひかる…!?

「遼じいだってキラやば~っだよ!だって、遼じいは星空マイスターだもん!遼じいの星の部屋…キラやば~っだよ!」

ひかる達の声が頭の中で響いた

「ひかるの次に話した地球人が遼じいだったルン!遼じいはいつでも驚かずに聞いてくれたルン!」

「あのとき、遼じいがいなかったらララやプルンス、フワは連れ去られていたよ。ほんとありがとう!」

「遼じいの星にかける情熱…とてもステキでした。」

「最初会った時、本当に魔法使いだと思ったニャン」

「匿ってくれて、そして内緒にしてくれてありがとうでプルンス~」

ひかる達…

「遼じいは…宇宙に…星に詳しいフワ~」

ワシは…

ワシは…、本当に最後まで戦ったのか?

ワシは、自分で自分のイマジネーションを見限っていただけじゃないのか?

そうだ。ワシは星をRestartさせる事が宿命だと思っていた。Restart前提で皆と付き合ってきた。今まで星を終わらせないように考えていた。だが…

ワシが星を作るべきだったのだ!!

「ダークネスト…ワシが相手になろう」

「お前は…遼太郎か…!?」

「ダークネスト様…ご存知で?」

なぜダークネストがワシの事を知っているのだ?

「私が生まれる時、頭の中にお前が浮かんだ。お前に会う今まで忘れていた。遠い昔の記憶のようだ…。しかし鮮明に覚えている。26つの苦しい記憶が…!」

何ということだ。ワシは愚か者だった。ワシが脅威に対して直接的に関わってこなかったかが露呈されたのだ。Restartの事ばかり考えていて脅威について関わろうとしなかったのだ。あろうことかワシが今まで出会ってきた脅威の記憶は奴らにも引き継がれていたのだ。

「ならワシがお前にとってどれほど危険な存在か分かるだろう。今すぐ侵略を辞めさすのじゃ。そうすればおまえたちが平穏で暮らせる星をワシが作ってやろう」

半分ハッタリだった。確かにワシは自らの意思で星を滅ぼす事(Restart)ができるが星を創造することはできない。しかしダークネストの記憶にはワシが星を滅ぼした事が強烈に残っているはずだ。ワシが星を創造できると予想させることができるかもしれない。

「ダークネスト様…。こんな老いぼれの戯言、信じる必要はありません。私めが…」

ガルオウガと呼ばれている侵略者がワシの元に向かってきた。まずい、ワシはどのように戦えばよいのか一切分からない。

「くたばれ老いぼれがぁぁぁ!!」

ガルオウガの強烈な一撃がワシを襲った次の瞬間…!!

ブチュン…!!

……

…………

謎の音とともにガルオウガは消えてしまった。

9

「ふーむ…」

ダークネストが唸っている。実際のところワシも何が起こったのか分からない。

「どうやら星を滅ぼす力は本物のようだな…」

星を滅ぼす力が働いたとすれば、ガルオウガは本当に滅んで消え去ったのかもしれない。しかしワシはその力を細かくコントロールできない。

「むやみに近づくと消滅させられそうだ。しかし…こちらから攻撃を仕掛けない限りその力は発動されないようだ」

ダークネストの言う通りった。この能力は攻撃に使えない。力のコントロールができないのだ。

「とすると…星の創造という話も…ウソか?」

まずい、そこがバレるとまずい。

「ならこちらはお前刺激せずに侵略を進めれば良い事になるが…そうするとお前は星を滅ぼしてしまう。これでは平行線だ。」

確かにダークネスとの言う通りだった。お互い手が出せない状況…。ならばこのまま平行線でも問題ないのか…?混沌とした世界でもイマジネーションは生まれるのだろうか…?

「しかし私は星が滅んでも良いと思っている。お前に会って理解した。私はお前と同じくこの記憶を持ち越したまま次の世界に君臨することができるからな。しかし今回のお前はどうやら違うみたいだ。いままで我々に干渉してこなかったお前が今回に限って干渉してきた理由…。それはそこに転がるプリキュアのせいだろう。お前はプリキュアに期待をしてしまった。そしてプリキュアのいるこの星を滅ぼす事に躊躇しているのだ」

完全に見透かされている…。やはりどの世界でも脅威を止める事はできないのか…!?ならば…やはりRestartしか…!

10

たくさんの時間が経ったように思えた。そしてゆっくりと口を開いた。

「分かった…。もう一度やり直そう。ダークネスト、ワシも負けるがお前も負ける。ワシはこの記憶を次に持ち越して必ずお前を倒してみせる」

「愚かな…忘れたか。この世界にはたまたまプリキュアがいた。だからお前もここまでの心を持つことができたのだ。しかし次はどうだ?確か9回目だったか…?あの時のような役にたたんクズな戦士だったらどうする?お前は所詮他人を傍観することしかできない。プリキュアのような戦士が現れなければ期待できない…いや…プリキュアだってクズな戦士。こうして無様にやられているのだからな」

「ひかる達をクズ扱いするな!ひかるは…ひかる達は最高のイマジネーションを持ったステキな子たちじゃ!」

「確かに苦戦を強いられた。カッパードやテンジョウはそんな奴らにやられてしまったがそれはあやつらが未熟だっただけの事」

「ぐ…しかしもういい!一度星をRestartさせ、次は必ずお前を倒す!!戯言はこれで最後じゃ!」

「よかろう…28回目の世界を楽しみにしているぞ」

11

ワシはいつものように星を滅ぼす気持ちを持った。星を滅ぼすのは意外と簡単で、心に思うだけでRestartができてしまうのだ。ワシの中心からだんだん白い光が広がっていきすべてを飲み込み、最後には全くの白になる。そして白から瞬間的に星が生まれて初めてRestartが果たされるのだ。

「さらばじゃ…ひかる…」

……

 

 

 

………?

 

 

 

様子がおかしかった。白い光が発生するまではいつもどおりだが…そこから聞き慣れた声が…

「遼じい!ダメだよ!イマジネーションを忘れちゃ!!」

「その声は…?ひかる?」

「そうだよ!なんか別の世界の私が『遼じいを助けて!!』て言うもんだからつい来ちゃった!でさでさ!タイムマシンとかで別の世界に行けるかな~って考えていたら急に目の前にタイムマシンが現れてキラやば~ってなってさ!そのパイロットに『これで遼じいのところにいけますか?』って聞いたらなんとか行けるってなってこれたんだ~!キラやば~っ」

ひかる…君って子は…。まったく…!

「あ!あそこで転がっているのが私~?あああ、やられちゃったんだね~。ちょっとまって!フワにみんなを呼んでもらうから!!」

そういうとひかるは強く念じて次の瞬間あの子達が空からやってきたのだ。

「オヨ~、ここが別の世界の地球ルン?」

「まったく…ひかるってホントすごいよね」

「ひかるのイマジネーションはいつも最高です」

「付き合ってられないニャン。さっさと終わらすわよ!」

「えへへ~。じゃあ行くよ!」

そう言うとひかる達はまばゆく明るい光でダークネストを消し去ったのだった。

12

「これでなんとか大丈夫だね!遼じい、この世界の私にもよろしく!!」

「遼じいもこっちの世界に遊びにくるフワ~」

「チャオ~」

そういうとひかる達はもとの世界に戻っていたのだった。

 

 

 

「ひかる…!ひかる~…!」

「りょ…遼じい」

「終わったんだよ。すべて終わった。ひかる達が世界を救ったんじゃよ」

13

今までの激戦がウソのようだったように平和に数日が経った。ダークネストが滅んだ後ノットレイダーは解散しそれぞれ住みやすい星に移住を始めた。ノットレイダーの残党の反撃を心配したが星空連合による厳しい監視でそれも無さそうだった。

ほんの一部監視から逃れたノットレイダーがゼニー星へと逃げ込んだという情報も得られたが、ゼニー星の荒くれた文化にいい意味で馴染むだろうから地球を襲ってくることもないだろう。

紛れもなく観星町に平和が訪れた。ひかる達はいつも元気に学校にいって暮らしている。そんなひかるを見送る春ちゃんも本当に嬉しそうだった。

こんな素晴らしい日々がずっと続くと思うとワシもうれしくなる。

あとは…

 

 

ワシが最後の仕事をするだけだ。

14

「ひかる、今日は天文台に遊びにおいで」

そう電話で伝えるとすぐさまひかるは自転車を漕いで天文台にやってきた。

「貸し切りのプラネタリウムを見るかい」

「ええ~ほんと!キラやば~っ!!ねぇねぇララ達も呼んでいい?」

「いいんじゃが…その前に今日はひかると二人っきりでお話がしたいんじゃ」

「うん!分かった!」

 

 

「ひかる…ひかる達のおかげですっかりと平和になったね」

「うん…。本当に危険な戦いだったと思う…。実は…みんなには内緒にしていたんだけど…あの時あたしにはどうすることもできなくて…もう力もなかったし…それで過去や未来の私だったら助けてくれるかも~って頭のなかで助けを呼んでいたんだ…。そしたらダークネストが消えちゃってて…。なんか不思議な感覚だったな~。本当に未来の私に声かけられている感じだった。」

「ひかるのイマジネーションが未来のひかるに届いたんだね」

「えへへ、でももしそうだったらキラやば~っだよね!未来のあたし、何になっているか聞きたいな~!ねぇねぇ遼じいはなんだと思う!?」

「ひかるの事だから、UMAとか研究するかもね~」

「それじゃあお父さんと一緒だ!一緒に冒険とかできちゃったりして~!でさでさ~、それをママが漫画にするのってキラやば~っじゃない!!」

「ははは、その漫画は読みたいねぇ!」

「キラやば~っ!!」

 

 

ダメだ…この楽しい時間が永遠だと勘違いしてしまう。

「ひかる…」

「なぁに遼じい?」

 

 

「ワシを、消し去ってくれ」

15

ワシはひかるにすべてを話した。ワシがこの星を滅ぼす存在だということ。何度も世界を滅ぼしてきたということ。そして、今まで気が付かなかったのが不思議でしょうがなかったのだがワシが存在する限りダークネストのような脅威が生まれ続けることも…。

「遼じい…大変だったんだね」

やはりひかるはあっさりと受け入れてくれた。この子の持つイマジネーションは本当にすごい。だからこそ、ひかるにワシを消して欲しかったのだ。

「でも、もうダークネストはいなくなったんだよ!だったら星を滅ぼす事ももう無くなるんじゃ…」

「ワシもそう思いたい。ひかると一緒にイマジネーションを描きたい。じゃが…この宿命はずっと続くんだ」

「そんなの、やってみなきゃわかんないじゃん!!27回目で終わるかもしれないんだよ!!もし28回目の世界になったって、遼じいがいればきっと大丈夫だよ!」

「ははは、28回目の世界にひかる達みたいに強い子がいたらいいね」

ワシには分かっていた。きっとひかるのような子達は27回目の世界だけだと。プリキュアのような強い戦士が存在するのは1つの世界だけでいい。そしてプリキュアのいる27回目の世界でこの宿命を終わらせなきゃダメなんだ。

「そんな事言ったって、遼じいを消すなんてできるわけ無いよ!!もっと遼じいからキラやば~っな事教えてもらいたい!」

「ひかる…」

「だから…遼じいは消せないよ…」

ひかるの目は涙ぐんでいた。ああ、この子は本当に優しい子なんだなぁ…。本当にステキないい子だ

「ひかるのイマジネーションは…そんなちっぽけなものじゃないだろう?ワシを消したとしてもワシはいつでもひかる達のそばにいるよ。」

「ひかる…遼じいの覚悟は決まってるニャン」

入り口からユニ達が現れた。ひかるのことが心配になって様子を見に来たに違いない。本当にステキな子たちだ。

「遼じいがいなくなるって考えると寂しい気持ちになるルン…。でもこのままだと遼じいは星を滅ぼすという辛い事をずっと続けなければならないルン!」

「君たち…聞いていたんだね」

どうやらひかるに話したワシが幾つもの世界を体験してきた話を聞いていたらしい。

「お父様に頼んで、遼じいの体質について原因を調べてみてはいかがでしょう?」

「星空連合に頼んで見るものいいかも…」

「どちらもダメに決まってるわ。遼じいの体質は宇宙人とか地球人とかそういう次元を超えてるニャン」

「そんなこと言ったって…遼じいを消すことなんてできっこないよ!」

「ひかる!遼じいの気持ちを考えるルン!遼じいは今までノットレイダーのような悪い人たちと一生懸命戦ってきたルン!だけど戦いに破れてみんなが苦しい目にあう最後の最後、星を破壊して最初からやり直していたルン。本当はそんなことしたくなかったに違いないルン!でも!ひかるのおかげで遼じいはそんな事しなくて良くなったルン!もうノットレイダーのような悪いやつもいないし、新しい星を作るために破壊しなくて良くなったルン!」

「だったら…このままでも…!」

「でも遼じいはそう考えていないルン!いつか星を壊してしまうような出来事が起きる前に、自分を消して平和な世界を作りたいと思っているルン!そんな遼じいの気持ちがひかる、分からないルン?」

「ララくん…」

 

「ララ…」

 

 

「さぁ、ひかる…。ひかるが少し思うだけでワシは消える事ができるんだ。これは寂しいことなんかじゃない。ひかる達の輝くイマジネーションがもっと輝く為に…明るい未来の楽しいことだと思えばいいんだ。ワシは大丈夫。きっとどこかでひかる達を見守るよ」

これは嘘だった。ワシという存在が消滅しない限りRestartは行われるから、別の存在として生き残るなんてことは絶対に無い。しかしひかるにはこうでも言わない限り…きっとワシを消してくれたりはしないだろう。

 

「遼じい…約束してくれる?」

「なんだい?」

「次の世界でも、絶対に星空マイスターになっていてね…!あたし、絶対に遼じいを見つけるから!」

「ああ、ひかるや…。約束しよう」

「ありがとう…遼じい…」

 

「ありがとう…ひかる。さぁ…ひかる…そろそろじゃ。ほんの少し、ワシの存在を消すように思ってくれ」

「遼じい…本当に…ありがとう」

そういうとひかるはワシの方に手を合わせた。次の瞬間、ワシはだんだん体が消えていった。

 

 

 

ああ…なんて気分がいいんだ。ワシがRestartする時に訪れる白い光とは全く違う感じだ…。これでワシの物語は終わる。28回目の世界はきっとこない。27回目の世界でひかる達は幸せに暮らしていくだろう。

もしかすると…ワシはこの27回目の為に生きてきたのかもしれん…。ひかる達を夢に見てきた…そう言っても良いのかもしれん。今の瞬間の為に幾度も奮闘し、幾度も絶望し、幾度も悲痛の叫びを挙げてきたのだ。そう思うと今までのすべてが愛おしく感じる。

27つの世界は本当に永い時間が経ったようにも思えたし、あっという間の時間にも思えた。

 

ワシの体がほとんど無くなる頃、ひかる達は無限大のイマジネーションあふれる笑顔でワシを見てくれたのだ。

 

 

ああ…

 

美しい…。

 

 

 

 

Rast shot

あの時、あたしが祈らなかったら遼じいは今でもいてくれたのだろうか。最近はそのことばかり考えてしまう。

もうノットレイダーのような悪い異星人が現れる事が無くなった。むしろまどかさんのお父さんが異星人を積極的に招き入れ文化交流を率先して行っている。いろいろな星のキラやば~っな事が知られるのは本当に楽しい。

こうして平和になったのだから、あのまま遼じいを消さなくても星が消えることはなかったのかな~って今でも思うことがある。

でも、消える最後に見せた遼じいの笑顔を見ると、本当はこれで良かったのかもしれないという気持ちにもなるんだ。

実は…あたしは遼じいに消えてほしいと願わなかったんだ。とっさに別のことを思い浮かべたんだ。「南十字星になってあたし達を見守ってください!」って心に祈ったんだ。

遼じいが南十字星に生まれ変わったかどうかはもう分からない。でも南十字星を見ると、遼じいの温もりを感じることができるんだ。きっと…見守ってくれているってそう思うんだ!

「ねぇみんな!サザンクロスショット、空に向かって打ち上げない!?遼じいの為に…さ!」

「それいいルン!」

「賛成!遼じいも絶対喜ぶよ!」

「ひかる…サザンクロスショットはユニは…」

「イマジネーションで…なんとかなる…ニャン!」

「そうでしたわね…!」

「遼じいへのイマジネーション、きっと届くフワ~」

「青春でプルンス~~!!」

「あんたそればっかね…」

「よぉ~し!それじゃあ…いっくよ~~!!」

『プリキュア!サザンクロスショット!!』

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